私たちの目指すこと

未来を走るクルマにエネルギーを

 今、未来のクルマが目の前を走り始めています。

 ガソリンエンジンやディーゼルエンジンが登場したのは19世紀。蒸気を動力とする蒸気機関やガスを燃料とした内燃機関にとって代わり、世界中に広く普及していきました。
それから1世紀以上経った現在、電気をエネルギーとして走る未来のクルマが注目されています。従来のガソリン車やディーゼル車と、未来のクルマの違いは、その動力にあります。前者は化石燃料を原料とした内燃機関をその動力としていますが、後者は電気をエネルギーとしてモーターで走ります。そして、そのような未来のクルマの一つに、水素を燃料として発電し、モーターで走る燃料電池自動車があります。自動車は今革新の時代を迎えつつあると言ってよいでしょう。

 なぜ未来のクルマが注目されているのでしょうか。それにはいくつかの背景があります。

 一つは、気候変動を抑制しようとする国際的な取り組みの存在です。例えば、京都議定書や、それを引き継ぐパリ協定があげられます。この大きな流れの中で、フランスは2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を終了する方針を、また、イギリスもガソリン車に加えディーゼル車の新規販売を2040年から禁止する方針を明らかにしました。これらの各国の政策を支えるものが、電気自動車や燃料電池自動車などの未来のクルマです。
 第二に、エネルギーセキュリティ需給に関する構造的な課題があります。日本は化石燃料に乏しく、一次エネルギーのほとんどを海外の化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)に依存しています。特に自動車用燃料は98%が石油系で、そのうち87%を中東地域に依存しています。電気自動車や燃料電池自動車などの未来のクルマは、エネルギーを高効率で利用できるというメリットだけでなく、将来においては一次エネルギー供給構造を多様化し、エネルギー調達リスクを低減する可能性を持っています。
 そして最後に、技術開発の進展が挙げられます。自動車メーカーをはじめとする多くの関係者の努力により、従来実現が困難と思われていた技術が実用化の段階を迎えました。蓄電池の技術開発が進展し、また、燃料電池自動車の実用化に必要なさまざまな技術の開発が進展いたしました。

ENEOSグループは、長期ビジョンにおいて「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立に向け挑戦することを掲げ、今後もお客様が必要とするさまざまな燃料を安定的に提供し、お客様のカーライフをサポートしてまいります。そして当社はENEOSグループの水素事業のサプライチェーンを担う会社として、少しでも多くの方々に未来のクルマを運転する喜びを感じていただけるように、そしてキレイで安心な社会が実現できるように、未来のクルマのひとつである燃料電池自動車を選択する多くの皆様に水素をお届けしてまいります。